首と脊髄を守るネックブレースの種類と選びかた
- ネックブレースとは
- どのように首と脊髄を守るの?
- そうは言ってもネックブレースは高いから無理・・・
- 第三の選択・ATLAS VISION
- ネックブレースは邪魔なの?
- アトラス AIRとヴィジョンの比較
- リスクコントロールのお話
- 怪我のポイントをリスクの低い部位に移動するという考え方
- ネックブレースもニーブレースも怪我の材料になっているのか?
- 胸部プロテクターとの組み合わせ
- 組み合わせ例1:ATLAS+ATLAS
- 組み合わせ例2:FOX+LEATT
- 組み合わせ例3:ALPINESTARS+ALPINESTARS
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ネックブレースとはなんぞや?どういう役割なのか、どう選べば良いのかと迷える人類の皆様こんにちは。
首神の寺尾です。
本日は首と脊髄を守るためのプロテクターであるネックブレースのお話でございます。
少々長い記事になりますが是非お付き合いくださいませ。それでは早速解説です。
ネックブレースとは
ネックブレースというのは首のプロテクターですが、 役目を簡単に言うと首がグキッっとなるのを防ぐものです。
頭って重いですからね。
電車に乗っているときにウトウト・・・カックンってなっただけでも首イテテテってなるわけで、
これがヘルメット被って頭から叩きつけられたりしたら、当然大ダメージを負う可能性があることは想像に容易いでしょう。
大ダメージというのは、最悪を言えば死亡です。なにせ首ですからね。
じゃあ、最悪を免れて一歩手前だとしたら? 脊髄損傷で首から下が動かなくなってしまうかもしれません。
更にもう一歩手前だとしても、胸から下が動かなくなってしまうかもしれません。
故に首へのダメージというのはとても恐ろしいものです。
ヘルメットやブーツと違い、絶対に装着しましょうという部位のプロテクターでは無いのですが、
上記のリスクを考えるとなるべく装着して頂きたいのが首のプロテクター=ネックブレースです。
どのように首と脊髄を守るの?
こちらが冒頭にも画像の出ているアトラスのAIRというネックブレースで、一番理想的なモデルでもあります。
ヘルメットの縁を支えて首の可動域を制限することで、
転倒時に首へのダメージを防いだり、(グキッといく手前で止めてくれる)
脳天から地面に突っ込んだ際には首が身体にめり込まないように、(亀みたいにならないように) 衝撃を6つのポイントで受け止め、
支えつつ分散させてくれます。
衝撃は一点集中よりも分散させた方が当然リスクは減るってことですね。
アトラス ネックブレース エアー
販売価格(税込)¥52,250 5%OFF
軽量フレームが生んだ体の一部であるかのような一体感。
"AIR"は装着していることすら忘れてしまうほどに軽量で柔軟性に富んだデザインと機能性を完璧...
特徴的なのはバックパネルが左右分割式になっている点で、
肩の動きに左右独立して追従するので 「左肩につられて右側まで持ち上がってしまう」ということが抑えられています。
背骨の上を避けている点も大きなポイント。
こんな感じで、不意の転倒で頭から落っこちしてしまうな状況において首へのダメージを軽減してくれるのがネックブレースです。
メーカーによって多少形状が異なるものの、根本的な考えとしては共通で可動域を制限して首への負荷を身体全体に分散させるというものです。
勿論装着すればダメージをゼロに出来るわけではありませんが、ダメージコントロールとしては非常に有効です。
そうは言ってもネックブレースは高いから無理・・・
スタビライジングカラー
販売価格(税込)¥6,050
固定ストラップ装備でズレ防止。スポーツライディングに欠かせないネックプロテクター。頭部の可動域を制限することで頸椎と鎖骨の保護をします。固定ベルトが装備されカラーの遊びを防ぎます。 COLOR: BLACK×REDSIZE: ADULT (大人用)
首の可動域を制限、という点のみにフォーカスした簡易版もあります。
こちらはACERBISのスタビライジングカラーという商品で、
旅行で使うネックピローがちょっと固くなったようなものだと考えて頂ければ。
簡易的ではありますが、これでも着用・非着用では雲泥の差があります。
ネックブレースはまだ手が出ないという方はこちらでも一定の効果は期待できますよ。
更に、ネックブレースとスタビライジングカラーの中間を狙ったようなタイプもあります。
第三の選択・ATLAS VISION
アトラスブレース ヴィジョン
販売価格(税込)¥33,963 5%OFF
ネックブレースの常識を塗り替える新型ネックカラーネックブレースが生まれ15年以上、着用することによって制限される頭部の可動範囲の問題を解消すべくA...
こちらはアトラスのヴィジョンという商品です。
ネックブレースのネガな面と言えば、「邪魔」ということでしょう。
最近のモデルは前述のアトラス AIRのように各社軽く出来ているので、重量的なネガはほぼ解消されていますが、
それでも全員装着とまではいかない理由というのは邪魔とか、煩わしく感じられるからでしょう。
それはある意味当然で、ネックブレースは首の可動域を制限するためのプロテクターなので、
首の動きに邪魔だなぁと感じるのは・・・そりゃそうなんです。
とは言え、近年のネックブレースは可動域が随分広がりまして、 おそらく大半の方が違和感ほぼ気にならないレベルにあると思います。
ネックブレースは邪魔なの?
アトラス ネックブレース エアー ゴースト
販売価格(税込)¥23,100
コンパクトかつ軽量のフレームが生んだ、体の一部であるかのような一体感。フレーム素材に強度が高く軽量なPP(ポリプロピレン)を採用し、耐熱、耐水、耐薬品性に優れ、日常メンテナンスがしやすい。前モデルより形状を変えたEASYオープンシステムは、2018モデルではプラスチックからアルミ合金に素材変更して強度を高めた。グラフィックはフレームにプリントすることでデカールのように剥がれる心配もない
BNS TECH2 ネックサポート
販売価格(税込)¥48,411 10%OFF
BNSテック 2は高度の衝撃から首を保護する為、最新の高性能ファイバーコンパウンドで形成。リアとチェストパッドはさらに軽量化を実現。クラッシュ時の重い衝撃エネルギーに対する構造一体型のフレーム構造が向上。・人間工学に基づいた設計・リアとチェストパッドは軽量化し、クラッシュ時の重い衝撃エネルギーに対す
3.5 ネックブレース
販売価格(税込)¥38,665 5%OFF
軽さとフィット感を兼ね揃えたエントリーモデル
サイズ:S/M(目安 胸囲82-94cm) 、L/XL(目安 胸囲94-122cm)
重量:497g
付属品:ストラップ
少なくともATLAS、ALPINESTARS、LEATTの現行モデルはそれほど邪魔にはならず、
十分な可動域あるんじゃないかなぁ~と感じます。
結構なダウンヒル=激下りでも僕は全然平気でした。逆にヒルクライムや飛びつきでも違和感ないですね。
僕が10年ほど前に使用していたEVSのRC-EVOLUTIONという 簡易型ネックブレースがあるのですが、
JNCCの鈴蘭で、激下りが長く続くセクションがあったのですが、
可動域が狭くほぼ上を向けないのでコースの先が見えないという状態。 どうにも辛かったのでレース中ですが外してしまいました。
初期のネックブレースはまだ洗練されておらず、こうしたこともあったというお話ですね。
そんなわけで邪魔と言われることもあるネックブレースですが、 店頭でお客様にご試着して首の可動域を確認されると「意外と動くねぇ」と仰る方が多いです。
重量も軽いし、最近のモデルは驚くほど違和感なくて快適です。
ただ、それでも煩わしいとか、 胸部プロテクターとの相性が悪く敬遠されていた方にオススメなのが、 ATLASヴィジョンという新型のネックカラーです。
そう、ネックブレースではありませんネックカラーです。正確には新カテゴリーと言った方がいいかもな製品と言えます。
アトラス AIRとヴィジョンの比較
AIRと比較すると、見ての通り脚のない形状で非常にシンプルなシルエットになっています。
脚が無いということは身体に衝撃を分散させて踏ん張る効果は弱まるものの、
本体が小振りになるため胸部プロテクターの干渉がほぼありません。
AIRのような通常のネックブレースは胸部プロテクターと首回りが干渉するため 種類を選びますが、
ヴィジョンならばプロテクターの選択範囲は大きく広がります。 可動域も飛躍的に拡大しました。
冒頭にもあるように、 最近のモデルは可動域の違和感はあまり無いのですがヴィジョンはそれ以上に違和感がありません。
つまりは、通常のネックブレースの抱える可動域の制限と胸部プロテクターとの相性という問題を 軽減したのがこのヴィジョンということです。
もちろん脚が無い分サポート力はAIRに分があるので上位互換というわけではありませんが、
今までネックブレースを敬遠されていた方に贈る代替案として非常に良くできていると思います。
重量もS/M:373g L/XL:395gとメチャメチャ軽いですしね。
ジャンガリアンハムスター12匹分くらいです。
また、意外なことに頸椎への圧迫に対しては既存のネックブレースより軽減出来るとのことです。
(D3Oとか使っているから?)
つまりは従来品に比べ
●前後方向への過伸展や過屈曲を抑えるサポート力は弱い
●横方向への過屈曲を抑えるサポート力は同等か近い水準
●首を押し込まれるような・圧迫する力に関しては強い
ってことでしょう。
流石にライダーで実証実験は出来ませんが、興味深いところですね。
リスクコントロールのお話
ここまでネックブレースの役目や機能のお話をしてきましたが、ここからはリスクコントロールのお話です。
ネックブレースを説明する際に、よく頂くご質問ですが
「これで鎖骨折った人がいるって聞いたことあるんだけど」 というお話です。
知り合いではありませんが僕も同じ話は耳にしたことがありますし、大いにありうることだと思います。
怪我のポイントをリスクの低い部位に移動するという考え方
記事の序盤で衝撃を6つのポイントで受け止め分散と書きましたが、
これらのポイントが衝撃の出口として機能するため、このポイントに打撲や骨折のリスクというのは多少なりとも存在します。
故に、首が前に過屈曲するようなクラッシュの場合なら鎖骨にダメージがいくかもしれませんし、
後ろに過伸展した場合は肩甲骨周辺へのダメ―ジが想定されます。 両肩も同じことが考えられますね。
そうなんです。衝撃の出口=6つのポイントには首に代わって怪我を負うリスクがあるんです。
ATLASが当初からバックプレートを左右分割にしているのはその対策で、 バックプレートを背骨の上に置くのを避けたかったからです。 これはニーブレースにも同様のことが言えます。
膝関節を守るのがニーブレースの目的ですが、
一方で衝撃の逃げ場として大腿部(太もも前側)に怪我のリスクはあるわけです。
ネックブレースもニーブレースも怪我の材料になっているのか?
極論こういう疑問も出てきますが、そうではありません。
優先順位に基づきリスクのコントロールをしているということです。
鎖骨と首だったら、どちらを優先するかと言えば当然首。
膝関節と大腿部だったら関節の方がリスク大きいので膝関節を優先したいという考え。
故にネックブレースもニーブレースも有効なプロテクターとして機能しています。
全ての怪我をノーリスクで守ることは出来ません。
エルボーガードを付けたことで、強化肘打ちによって肋骨を骨折するなんて事例もありますが、
それでエルボーガードは悪いとはなりませんし、
首への重量的負担があるからヘルメット被らないという選択肢も考えられないでしょう。
大切なのはリスクをどうコントロールするか?ということです。
雑にまとめるとネックブレースしておいた方がいいと思いますよ・・・ってことです(^^)
胸部プロテクターとの組み合わせ
ここからは応用編。胸部プロテクターとの組み合わせです。
まず、一般的なネックブレースというのは脚があるので、
ネックブレース非対応の胸部プロテクターとは首回りに干渉が起こります。
ざっくり言うと、プロテクターにネックブレースの脚が持ち上げられてしまい、 肩が浮いてしまうことになります。
本来の固定位置より、上に上がってしまうため首の可動域が狭まるばかりか、
衝撃を受け止める効果が半減してしまいます。(肩で支えられなくなる)
故に、必ずと言っていいほどネックブレース対応の胸部プロテクターの選定が必要になります。
組み合わせ例1:ATLAS+ATLAS
例えば、アトラスのアトラスディフェンダーとアトラスAIRネックブレースを組み合わせるとこんな感じ
前面の脚は首元のスペースを大きく取ることで干渉を防ぎ、
背面の脚はブレース内に収める形になっています。
アトラス ネックブレース エアー ゴースト
販売価格(税込)¥23,100
コンパクトかつ軽量のフレームが生んだ、体の一部であるかのような一体感。フレーム素材に強度が高く軽量なPP(ポリプロピレン)を採用し、耐熱、耐水、耐薬品性に優れ、日常メンテナンスがしやすい。前モデルより形状を変えたEASYオープンシステムは、2018モデルではプラスチックからアルミ合金に素材変更して強度を高めた。グラフィックはフレームにプリントすることでデカールのように剥がれる心配もない
アトラスディフェンダー
販売価格(税込)¥29,260 5%OFF
ATLASブレース唯一の弱点『プロテクターとの相性』を解消する専用ブレストガード◆ ブレースオン前後の接触部パーツを着脱式にし、ブレースとの併用に対応。また、サイド部にブレースストラップを設け、フィット感を向上し、走行時のズレを防ぐ。◆ マグネットストラップストラップバックルのフック部にマグネットを
可動域もしっかり確保されています。流石は同メーカーと言える相性の良さですね。
因みにこの装着方法は胸部プロテクターをジャージ上に着用する前提になります。
理由は、↑の画像の通り、バックパネルをプロテクターの背面パネルに収める形だからです。
逆に、胸部プロテクターをジャージのインナーとして着用したい場合はプロテクター背面パネルの上半分を取り外せば可能です。
FOXのプロフレームやラプターLCという胸部プロテクターは完全にジャージの上に 着用するタイプになります。
メリットとしては、ネックブレースの脚をプロテクターで抑える形になるので ストラップの類が不要な点ですね。
組み合わせ例2:FOX+LEATT
3.5 ネックブレース
販売価格(税込)¥38,665 5%OFF
軽さとフィット感を兼ね揃えたエントリーモデル
サイズ:S/M(目安 胸囲82-94cm) 、L/XL(目安 胸囲94-122cm)
重量:497g
付属品:ストラップ
プロフレーム CE
販売価格(税込)¥11,000
1. リアットブレースの装着を想定しデザインされた薄型ディフレクター2. ショルダーストラップにより、ネックブレース非装着時にも確実にフィット3. ボディにバックルを組み込み、装着時のもたつきを排除4. バックパネルは取り外しができ、チェストパネルのみの装着も可能5. 2箇所の調節バックパネルは確か
ユース ラプタープロフレーム LC ルーストデフレクター(2018)
販売価格(税込)¥10,890
ユース用に開発されたラプタープロフレームは、前後だけでなく脇腹にもプロテクターを配置し、ダメージを受けやすいユースライダーの身体を確実に保護する。各所に設けられたベント孔により通気性も確保。ユース用としては他に例を見ない高いプロテクション性能を備える。サイズ 胸囲:57cm-71cm対象年齢 6
これは僕も使用していましたが、中々快適です。
こうした組み合わせはネックブレース対応のモノでないと上手くいきません。
近年はネックブレース対応と表記のあるプロテクターが多くなってきましたが、相性があるので全てOKというわけではありません。
組み合わせの可否はメーカーによって異なるので、事前確認が必要です。
組み合わせ例3:ALPINESTARS+ALPINESTARS
アルパインスターズはネックブレース対応の胸部プロテクターを多数ラインナップしていて、
同社のBNS TECH2ネックサポートと同時装着すると、とっても綺麗に収まります。
先ほどのアトラス同士の組み合わせと同様、メーカーを揃えると間違いはないですね。
シークエンス チェスト プロテクター
販売価格(税込)¥16,478 30%OFF
ハードシェル同様のプロテクション性を備えた、動き易さ、軽さ重視のソフトシェルタイプのチェストプロテクター。シェルはパンチング加工で、通気性も抜群。・ソフトシェルはハードシェルプロテクターと同じレベルのプロテクション性をもたらす。・シェルはパンチング加工を施したゾーンと空気流路を備え、卓越した通気と換
BNS TECH2 ネックサポート
販売価格(税込)¥48,411 10%OFF
BNSテック 2は高度の衝撃から首を保護する為、最新の高性能ファイバーコンパウンドで形成。リアとチェストパッドはさらに軽量化を実現。クラッシュ時の重い衝撃エネルギーに対する構造一体型のフレーム構造が向上。・人間工学に基づいた設計・リアとチェストパッドは軽量化し、クラッシュ時の重い衝撃エネルギーに対す
と、言うわけでネックブレースを着用する際には胸部プロテクターとの兼ね合いをしっかり確認してから選びましょう!
というお話でした。
オフロードバイク用品を買うならダートバイクプラスへ!
今回お話させて頂いたネックブレースや胸部プロテクターをはじめ、
ダートバイクプラスでは様々なオフロードバイク用品を在庫・販売しております。
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ご質問などございましたらお電話ください。専門知識に長けたスタッフがご説明させて頂きます。
電話:0561-86-8301