今回はオフロードタイヤの選び方を解説させて頂きたいと思います。
まずは、タイヤ選びの前に種類を把握しておきましょう。
人工的に造成された、もしくは管理されたモトクロスコース向けの競技用タイヤ
自然の地形を活かした特設コース向け・もしくは公道も考慮した競技用タイヤ
岩や人工的に配置されたヒューム管などを走破するトライアル競技専用タイヤ
オフロード&オンロードの両方のバランスを取った公道走行可能なオールラウンドタイヤ
まとめ①
・オフロードタイヤはざっくり4種類に分けられる
・自分の用途や目的に合わせて選ぶべし
オフロードタイヤを購入する前に一つ注意点。公道使用可能かどうかを確認します。
モトクロスタイヤというのは基本的に公道走行を前提としておらず、競技専用タイヤになっています。
同様にエンデューロタイヤ・トライアルタイヤも競技専用のタイヤが多いため、
公道で使用するバイクに装着する場合は確認が必要です。
中にはIRCのツーリストの様にエンデューロタイヤ・トライアルタイヤであっても公道走行可能なものがあるので、それならば問題ありません。
公道走行不可のタイヤはタイヤメーカーのWEBサイトにそのように記載されていますし、現物にも「NOT FOR HIGHWAY SERVICE」または「NOT FOR HIGHWAY USE」とタイヤの側面に書かれているので、それを見て確認することも可能です。
まとめ②
・競技用タイヤは専用のものが多いため、公道で使用するバイクに装着する前に確認する
・公道使用可能なものもある
・タイヤメーカーやタイヤの側面で確認が可能
オフロードタイヤの寿命は、走行距離ではなく摩耗具合と使用してからの年数です。
タイヤの種類によって交換の時期や目安も異なります。
一般的に、各メーカーや販売店で冷暗所で保管されているタイヤは製造後、 3年程度は品質上の問題はないとされていますが、既に装着しているタイヤの場合は長く見ても3~5年程度が限度です。
タイヤはゴム製品故に紫外線を受けることで劣化しますし あまり乗らない車両の場合、空気圧が低下した状態で放置されていると接地面に合わせてタイヤが変形してしまうことも。
そして、5年以上も経過すると、ほとんどのタイヤでひび割れが発生します。 ひび割れたタイヤは硬化して柔軟性を失っており、本来の性能は発揮できないばかりか ブロックの破断やスリップにより事故の原因となることもあります。
一例として、トレールタイヤとモトクロスタイヤやエンデューロタイヤの場合をご紹介致します。
トレールタイヤのブロックは比較的高さが低めなので、
ブロックが摩耗によって低くなり、ベースのタイヤが接地してしまう一歩前、が一つの目安です。
具体例を挙げるとこんな感じです↓
中心部のブロックがほぼなくなり、ベースのタイヤと一体化してしまうギリギリの状態。
ここまで減ってきたら交換しましょう。
こちらは交換時期を少し超えてしまった状態。
これ以上走行するのは危険なので、早急な交換が必要です。
モトクロスタイヤやエンデューロタイヤの場合、ブロック高が高いためベースのタイヤと一体化するまで使用することはまずありません。
また、競技用タイヤという特性上、角が丸くなっただけで交換とする方からブロック高が半分以下になるまで使用する方までさまざまです。
ただ、基本的に角の鋭さやブロックの高さは路面を捉える(掘る力)に直結するため、性能を高くキープしたいなら早め早めの交換が望ましいでしょう。
まとめ③
・タイヤの寿命は走行距離ではなく、摩耗具合と年数。
・劣化したタイヤ、摩耗しすぎたタイヤは事故の原因に。早急に交換すべし。
オフロードバイクのタイヤサイズの調べ方
当然ながら、まずは純正のサイズを把握しなければいけません。
ネットで検索すればすぐ出てきますし、スイングアームに指定サイズを記載したステッカーが貼り付けされている場合もありますが、わからない場合はパーツリストで調べるのが一番確実です。
もしくは、新車であればタイヤの刻印を見れば一目瞭然ですね。
ブリヂストンやダンロップのようなタイヤメーカーでは車種から適正サイズを確認出来るようになっています。
とても便利に出来ているので是非活用してみて下さい。
タイヤのサイズで良くユーザーを悩ませるのがコレで、インチとミリ(メトリック)の表示が混在しているパターン。
具体例を挙げると、CRF250Lの前輪タイヤサイズは3.00-21で、3.00というのはインチ表示になります。
一方で後輪はと言うと、120/80-18で120というのはミリ表示。(80というのは扁平率80%という意味)
何故このような表記になっているのかはわかりませんが、
トレールバイクを中心にインチ表示とメトリック表示が混在している場合がありますので、混乱しないように注意が必要ですね。
因みに、前輪に多い3.00-21というサイズは、ミリ換算で76.2mm幅です。
つまり、80/100-21のタイヤも履けるということですね。少し乱暴ですが、同じ表記とみなして差し支えありません。
そして、後輪に多い4.60-18というサイズは4.60インチをミリ換算すると116.8mm。
こちらも120/80-18と同じように扱ってOKということですね。
タイヤによっては4.60-18と120/80-18の両方がラインナップされていますが、
履き比べてもほぼ違いはわからないレベルだと思います。
このように、インチ表示とミリ表示が混在していてややこしいタイヤサイズですが、互換サイズを知っておけばそれほど悩む必要は無いと言えます。
タイヤのメーカーや銘柄によっては、ラインナップにミリ表示しか無い場合もありますが、その場合もこの考え方で対応可能です。
ブリヂストンのX31は、現在発売されているモトクロスタイヤの中でも最もおススメしやすいタイヤです。
ブリジストンは「断トツ商品」の開発を目標に掲げ、とても良いタイヤを次々とリリースしていますが、X31は本当に断トツですね。対応する路面レンジがとても広く、ソフト路面からハード路面まで1本で対応してしまいます。とりあえずX31を買っておけば、どこでも最良のパフォーマンスを発揮します。
IRCが贈るエンデューロタイヤのド定番がこちらのVE33S GEKKOTAです。
このタイヤは、元々は30年以上前から販売されていたVE33とタイヤがベースになっています。
VE33はモトクロスタイヤに比べ柔らかめのコンパウンドと大きめのブロックで、ガレ場のような固い路面から
腐葉土のような柔らかい路面までオールラウンドにこなせるタイヤとして人気のタイヤで、
それを更に柔らかくアレンジしたのがこのタイヤです。
柔らかく・・・と言ってもある程度ハイスピードセクションもこなせるギリギリの剛性を持たせているのでクロスカントリーレースからハードエンデューロまで高い人気とシェアを持っています。
一部に特化させず、無難な選択としても間違いの無いタイヤです。
こちらも公道走行は不可になっていますのでご注意を。
エンデューロタイヤについても動画解説をご用意しておりますので、是非ご覧ください。
正直言ってトライアルタイヤは種類が少なく、かつエンデューロバイクやトレールバイクに対応したものは
このツーリストとSHINKOのSR246くらいしか見当たりません。
中でも圧倒的な人気と実績があるのがこちらのツーリスト。
(SR246には豊富なサイズが用意されているので、ミニサイズのバイクでは重宝されています。)
このタイヤは元々はTY250Zスコティッシュというトライアルトレールバイクの専用タイヤとして用意されたものです。
故に公道走行も問題なくこなせます。
しかし、20年以上前にバイクは絶版となり、その後細々と販売されていましたが、
15年程前からセローやエンデューロマシンでの需要が急増。
競技専用のトライアルタイヤに比べ重量のあるバイクに剛性が最適化されているので、
競技用のトライアルバイク意外には「これが良い」タイヤと言えます。
メーカーもこうした需要はしっかり把握していて、細かな仕様変更を繰り返し今に至ります。
路面を掘り返すのではなく掴んでグリップするという性質上、林道を荒らしにくいのも嬉しいところですね。
ダンロップのトレールタイヤシリーズである「Buroro」の中間に位置するのがこのD605。
オフロード寄りのD603・オンロード寄りのD604と合わせて3つのラインナップが用意されており、
難しいことを考えずに選べるのがいいですね。
中でもD605はTHEスタンダードと言える性能で、多くのトレールバイクの標準タイヤとして採用されてきました。
オン/オフのバランスが良いので、林道に行きたいときも高速道路に乗ってツーリングしたいときもあらゆる用途に対応可能です。
トレールタイヤに関しては下記の記事と動画でも解説しておりますので参考にしてみて下さい。
総まとめ
以上、専門店がおすすめするオフロードバイクのタイヤ選びでした。
今回紹介したタイヤは本当に無難な選択であって、細かなニーズに対しては無数の選択肢があります。
お悩みの場合は、是非ダートバイクプラスにお問合せ頂くか、ダートバイクプラス瀬戸店までご来店下さい。