オフロードバイクに乗るにあたって必須なのがオフロードブーツ。
オフロードでブーツを履く理由とその役目はとても重要です。
未舗装の林道や荒地などを走ることになるオフロードでは、 それだけ転倒の可能性が高いものです。
万が一、転倒してしまった場合でも専用のオフロードブーツを履いていれば、 足首がサポートされ、怪我を防ぐことができます。不安定な道を走るときほどオフロードブーツを着用したほうが良いでしょう。
また、オフロードブーツは路面からの衝撃を緩和するため、 靴底が厚めになっているという特徴もあり、 ライダーの足つき性を良くしてくれる副次的な効果も期待できます。
この記事では2021年現在のオフロードブーツのご紹介をしています。 早速参りましょう~!
オフロードブーツを調べてみると、種類の多さに驚かされます。
何を基準に選べばいいのかわからないという人も多いと思いますが、
以下の4つのポイントを重視して選んで頂ければ大丈夫です。
まずサイズですが、基本的に海外メーカーの製品であるため 日本人との足形の違いから、普段使いのスニーカーと同じサイズで選んでしまうと 横幅や甲の高さできつめに感じられることが多くあります。
また、オフロードブーツには厚手の靴下を合わせるのが一般的ですので、 店舗で購入するときには厚手の靴下を持参して試着することをおすすめします。 (ダートバイクプラス瀬戸店では試着用の靴下もご用意しております)
サイズが適切かどうかの判断基準は、靴下込みでのサイズ感に少しゆとりがあることです。
足の指で「グーパー」出来るくらいのゆとりがありつつ、 歩くときにも踵が浮かない程度のサイズ感がベスト。
通信販売の場合は少し難しくなりますが、 統計的には普段使いのスニーカーから0.5cm~1.0cmアップのサイズがフィットします。 もしダープラオンラインでご購入時にサイズが合わない場合は交換対応も承っておりますのでお気軽にどうぞ!
まとめ①
・靴下込みで、足の指が「グーパー」できるゆとりのあるサイズがベスト
・普段使いのスニーカーから0.5~1.0cmアップのサイズがおすすめ
・店舗で購入する際は靴下をあわせて試着するべし
用途については、初心者の方でも履きやすいエントリーモデルやエンデューロブーツの他、 大ジャンプなどにも耐えるプロテクション性能を持ったモトクロスブーツ。
足首周りが柔らかく細かな操作のしやすさを重視したトライアルブーツ。 ビッグオフロードバイクでのツーリングに向けたアドベンチャーブーツなど、多種多様です。
バイクを購入されたばかりの初心者の方の場合、まだ用途が定まっていないことも多いでしょう。
そのような場合は是非ショップに相談してみて下さい。 相談しているうちに、自分がオフロードバイクでやってみたいビジョンが見えてきます。
スピードを出してジャンプを飛んでみたいのか?獣道を走破してみたいのか? 用途が見えてくると、欲しいブーツもおのずと決まってきます。
もちろん「全部やりたい!」って言う欲張りプランもアリです。
まとめ②
・まずはやりたいスタイルを思い浮かべる
・スタイルが決まったらショップに相談してみる
ソールは、バイクのステップへの引っかかりを抑え、 ハイスピードでの走行に適したフラットソール、高低差のある斜面や岩場でバイクを支えたり歩くことにも適した ブロックソール(エンデューロソール・タンク底)の2種類があります。
大多数のブーツはフラットソールですが、ブロックソールは見た目の通り、タイヤの様に配置されたブロックが路面をとらえ、足が滑らないようになっています。
まとめ③
・大多数はハイスピード走行に適したフラットソール
・斜面や岩場に適した、滑りにくい仕様のブロックソールもある
ブーツの素材もさまざまですが、現代のブーツはレース向けモデルでは合皮とプラスチックの組み合わせが主流。 トライアルブーツやアドベンチャーブーツは本革とプラスチックの組みわせが多い傾向です。
合皮とプラスチックのブーツはメンテナンスが楽チンです。 バイクと一緒にジャブジャブと水を掛けて洗って、日陰で干すだけでOKです。 天日干しは素材を劣化させてしまうので避けましょう。
本革のブーツは洗うまでは合皮と共通ですが、洗った後は 革製品用のクリームを薄く塗ってあげましょう。適切なケアをすれば長く使えるのが本革のブーツです。
まとめ④
・レース向けモデルの主流は合皮とプラスチックの組み合わせ
・トライアルやアドベンチャーブーツは本革とプラスチックが多い
・合皮は洗って干すだけの簡単メンテナンス
・本革はオイルのケアで長く使える
先にも触れましたが、大半のオフロードブーツは合皮とプラスチックで作られています。
足首を守る装具なので、ある程度固いのは当然なのですが、
どうしても馴染めないという方もいらっしゃるとは思います。
少しでも柔らかいブーツが欲しい!という場合には、
トライアルブーツやアドベンチャーブーツがオススメです。
詳細は後述しますが、操作性や快適さを重視しているのでプロテクション性能では劣るものの、
足首の動かしやすさは抜群です。
オフロードブーツは合皮とプラスチックの組み合わせで出来ているため、
加水分解という劣化現象からは避けられません。
通常使用で3~5年で素材の限界を迎え、各部にひび割れなどが発生します。
そうなると一か所を修理しても別の箇所が・・・というイタチごっこなので、
その場合はブーツの寿命となります。
一方でトライアルブーツやアドベンチャーブーツは本革を主体にした構造のため、
プラスチックが割れても革などである程度機能を損なわない程度には補修が可能です。
本革故に日々のメンテナンスは必要ですが、大切に扱えば長く長く使えるのはメリットです。
素材と言う観点から見るとオフロードブーツの寿命は上記のような話になりますが、
パーツ供給という見方をすると話は変わってきます。
これは、マイナーブランドや極端に安いブーツの場合、パーツ供給がままらないことがあるからです。
ブーツのストラップやバックルは各メーカー専用のものが使用されているため、
岩などにヒットさせて破損した場合、パーツ供給が無いとそれだけで履けなくなる可能性があります。
一足数万円と高価なオフロードブーツ。長く使用するためには、
王道のメーカーやブランドを選んだほうが、
長い目で見ればコストパフォーマンスはかえって良いといえます。
ここからは5種類のオフロードブーツについて説明します。
いずれも用途が異なりますので、それぞれの違いを理解して、自分に合うものを選びましょう。
オフロードブーツの基本となるのがモトクロスブーツです。
基本的にはオフロードブーツ=モトクロスブーツと言う認識でOK。
ソールはフラットで、ステップとの引っ掛かりを抑えて荷重移動をしやすくなっており、足首はしっかりとしたプロテクション性能(防御力)を持ち、大ジャンプやそれに伴う転倒からも、足をしっかりと守ってくれます。
近年の上級モデルはこのプロテクション性能と足首の操作性を両立させるため、
足首に可動軸を設けた構造のモデルが主流です。
ブレーキやシフト操作に必要なのは縦方向の動きのみなので、横方向の動きを
制限するこの可動軸構造はとても理にかなった作りです。
エントリーモデルとして、モトクロスブーツの中でも3万円前後の価格に抑えたラインナップもあります。
FOXRACINGで言えばCOMPブーツ。alipinestarsでいえばTECH3が該当します。
エントリーモデルと名前の通り、初心者の方に向けて設計されているので、プロテクション性能よりも足首の動かしやすさや重量の軽さに優れています。何を選べば良いのかわからないな~?と言う方はこれを選んでおけば大半の用途に対応出来ますよ。
特徴まとめ
・基本的にはオフロードブーツ=モトクロスブーツ
・エントリーモデルとして3万円前後の価格のものも
・エントリーモデルはプロテクション性能低、軽量で可動性高。
・迷った方はモトクロスブーツを選んでおけば多くの用途に対応
モトクロスブーツをブロックソール仕様に変更したものがエンデューロブーツです。
そのため、基本性能はモトクロスブーツと同じ。唯一異なるソールによって、
路面状況が悪くても足が滑りにくい特性を持っています。
エントリーモデルのモトクロスブーツをベースにした
FOX
COMP-Xのようなエンデューロブーツは足首の動かしやすさとブロックソールのグリップ性能で、
林道ツーリングには最適な選択と言えるでしょう。
特徴まとめ
・モトクロスブーツをブロックソール仕様に変更したもの
・路面状況が悪くても足が滑りにくい
・林道ツーリングには最適
オフロードブーツのなかでもトライアルブーツは本革のものが多く、
全体的に柔らかな作りになっています。
モトクロスブーツの様にプラスチックを縫い付けると補強になり剛性が上がってしまうためプラスチックの割合は低め。
こうした作りによって、非常に足首は動かしやすくなっています。
繊細な操作を要求されるトライアルという競技ならではですね。
吸盤のようなブロックソールは滑りやすい岩場でもしっかりグリップ。トライアル用という肩書のブーツではありますが、その特性上、林道ツーリングに使用されるケースも多くあります。
特徴まとめ
・本革のものが多く、柔らかな作り
・足首回りが動かしやすく、繊細な操作に
・ブロックソールが滑りやすい岩場でもしっかりグリップ
今流行のアドベンチャーバイクに向けたブーツです。
BMWのGSやアフリカツインなどのアドベンチャーバイクはダイナミックにジャンプを飛んだり、著しく険しいダートを走るよりはオンロード主体で軽く林道を通過するような使い方が一般的。
そういった用途に合わせて、プロテクション性能を最小限とし防水加工を施したのがアドベンチャーブーツです。
全てではありませんが、こちらもトライアルブーツ同様本革を使った製品が多い傾向にあります。
特徴まとめ
・オンロード主体で軽く林道を通過するような使い方が一般的
・プロテクション性能は最小限、防水加工済み
脛をカバーするため、通常ロングブーツが多いオフロードブーツですが、ごく一部にショートタイプのブーツもあります。
ロングブーツと比べて軽量で歩きやすいところがポイント。ふくらはぎや脛部分が保護されない点はデメリットですが足への負担が少なく、ツーリングだけではなくデイリーユースも可能です。
特徴まとめ
・軽量で歩きやすく、デイリーユースにも
・ふくらはぎや脛部分が保護されない点はデメリット
オフロードブーツの種類を説明したところで、ここからは実際におすすめのブーツを紹介していきます。
どれも信頼と実績のあるブランドで、快適な履き心地と高い機能性を実感できるはずです。
キツネのマークで有名なFOX RACING(フォックスレーシング)は、1974年にジェフ・フォックスによって立ち上げられた企業で、モトクロスブランドでは常にNo.1の地位に君臨し続けています。
モトクロスが起源のブランドですが、MTB(自転車)においても高いシェアを持っています。
モトクロスウェアで有名なFOX RACINGですが、20年ほど前からブーツ開発にも力を入れており、現在はブーツカテゴリーにおいても最先端の技術を有しています。
エントリーモデルのCOMPブーツは軽量で、初めて購入する人にもおすすめです。
足首周りが柔らかく、操作性に優れていて履きやすいところも特徴です。ブーツの中にはレースがついていて、ほどよく締め付けることでフィット感が向上します。コストパフォーマンスも良く、手に取りやすいと言えるでしょう。
Alpinestars(アルパインスターズ)は、1963年にイタリア北東部の町で、登山用ブーツメーカーとして生まれたブランドです。
1970年代にはモトクロスブーツが大きな注目を集め、現在も多くのトップライダーが愛用しています。
FOXとは逆にブーツが先行して名をあげたメーカーですが、こちらも同じくウェアの開発に積極的に取り組み続けた結果、他のトップブランドと対等以上の機能性を持っています。
AlpinestarsのTECHシリーズには、TECH3・TECH5・TECH7・TECH10の4種がありますが、初心者の方にはTECH3・・・と言いたいところですが、こちらのTECH5ブーツもオススメ。
TECH3をより補強する形の構造で、より激しい走りにも対応出来るため、ライダーがオフロード走行に慣れてきてもその走りを受け止める器があります。
このように少し奮発して1ランク上のブーツを選ぶのも、先を見据えると良い選択ではないかと思います。
総まとめ
以上、オフロードブーツの種類と選び方の解説でした。
一口にオフロードと言っても使い方もブーツの機能もさまざま。
初めてブーツを購入される際には、”今”だけのことでは無く慣れてきたときの“先”のことも考慮して選んで頂くことが大切だと考えます。
もしお悩みの際はお気軽にお電話頂いてもOKです!